クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
……眠れない。眠くすらならない。
電気を落としたベッドの上で、私は何度も寝返りを打っていた。
眠れるわけがないのだ。桜木くんが同じベッドに横になっているのだから。
キングサイズとはいえ、ひとつのベッド。ただひとつの救いは、マットレスが分かれていることだ。私がいくらもぞもぞと動こうが、桜木くんに迷惑はかからない。
何度目かの寝返りを打って、大きなため息を漏らした。
『俺はソファで寝るから』と桜木くんは言ってくれたけれど、それでは疲れるだろうし、風邪をぶり返したら大変だからと、こんな状況になっている。
病み上がりの彼にベッドを譲り、私がソファを使うべきだったのかもしれない。それをしなかったのは、せっかくのスイートルームを堪能できる機会を逃したくないという貧乏根性からだった。
これじゃ埒が明かない。そっとベッドから出て、リビングスペースへと行った。
間接照明をひとつだけ点けて、ソファへと座る。
ちょっと冷えるので、クローゼットの奥に入っていた毛布を引っ張りだしてきた。それにくるまり、なにをするわけでもなくボーッとする。