クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
手と足を広げ、大きく伸びをする。そのまま左に反転し布団を太ももの間に挟み込む。
――つもりが、なんだかいつもと感触が違う。布団にしては、やけに硬い。
なんだこれは。
ゆっくりと覚醒していく頭。重い瞼をこじ開けると、私の目の前に男の人の顔があった。
「きゃああ!」
思わず叫び声を上げる。ついでに力まかせに両手で押しやると、その人がゴロンとベッドから転がり落ちた。
「――いってぇ!」
声がしたかと思えば、起き上がった男がベッドに手をかけのっそりと顔をだした。
――桜木くんだ。
「なにすんだよ」
「ご、ごめん!」
急いで起き上がる。
そうだった。忘れていた。桜木くんとスイートルームに泊まっていたのだ。