クールな同期と熱愛はじめ
「ね?」
「まずいレベルだな」
スイートルームだから、全てが特別というわけでもなさそうだ。
「ティーバッグだから、こんなもんなのか」
「そうなのかな。でも、ここまでおいしくないのは珍しいよね」
ひと口飲んで、それ以上は遠慮したいと思うほどだった。
仕方ない。お茶は諦めよう。
「さすがに冷えるな」
桜木くんが寒そうな仕草をする。
「毛布、いる?」
くるまっていた毛布を引っ張り、彼の膝まで伸ばした。その弾みで、彼の手と私の手がぶつかる。反射的に桜木くんの顔を見ると、彼とばっちり目が合ってしまった。
咄嗟に目を逸らし、不自然に自分の手元を見る。スイートルームにふたりきりというシチュエーションのせいなのか、ともすると甘い空気に包まれてしまいそうで、緊張に身を固くした。
でも、そう思っているのは私だけなんだろう。
私の頬に注がれていた桜木くんの視線は、すぐに違う方へと向けられた気配がした