クールな同期と熱愛はじめ
「あ、いえ! 大丈夫です!」
相手は施主。
止めてほしいとは言えず、笑顔を張りつけた。
「それで、なにをしてる?」
「……そうですね、特別なにかをするわけでもなく、街をぶらぶらしたり、部屋でのんびりしたりでしょうか」
「それじゃ、今度どこかに遠出でもしない?」
「はい?」
高梨さんは両肘を突いて手を組み、にこにこと屈託のない笑みを浮かべていた。
唐突な話をされて、どう返答したらいいのか。
「ね、そうしよう。どこがいいかなぁ。悠里さんは、行きたいところある?」
「あ、いえ……あの、そういうお話は……」
困ったな、どうしよう。
桜木くんを差し置いて選んでもらったという思いから、無下にもできなくてはっきりと断れない。
高梨さんは首を傾げて、なおも微笑みを浮かべていた。