クールな同期と熱愛はじめ
◇◇◇
耳を疑うようなことを聞いたのは、それから一週間ほどが経った頃だった。
「そんなの嘘です!」
話してくれた越川さんに掴みかかる勢いで迫った。
「嘘じゃないって」
私にタジタジという様子で、越川さんが座っていた椅子を引いてパソコンに向き直る。
ちょうど通りかかった竹中部長の前に、私は立ちふさがった。
「桜木くんが会社を辞めたって本当ですか?」
部長は周りを気にするように視線を投げかけたあと、「ああ」と頷いた。
「どうしてですか!?」
桜木くんは、そんなことはひと言も言っていなかった。会社からの指示を待っているって。
「ちょっとこっちへ来い」