クールな同期と熱愛はじめ
「はい、よろしくお願いします」
そう答えると、桜木くんは私の頭を少し乱暴に撫でた。
「よぉし! それじゃ久々に俺と卓球勝負しちゃう?」
「やらねーよ」
間宮さんの提案を蹴って、「ジンライムを作ってくれ」と言う。
「さては負けるのが怖いんだな?」
挑発も軽くあしらった。
「ところでフランチェスコは?」
「あー彼ならイタリアへ帰ったよ」
――嘘。いつの間に。
先週来たときにはいたのに。
「新しい仲間を紹介しよう」
間宮さんがパンパンと手を叩くと、店の奥からアジア系の男性が出てきた。
「チェンさんでーす」
両手を彼に向けてヒラヒラと振る。
彼は「チェンと申します。どうぞよろしく」と頭を下げた。
「彼の作るヤムチャがめちゃくちゃおいしいんだよ」
今度は中国の人みたいだ。
間宮さんは目をキラキラさせたのだった。