クールな同期と熱愛はじめ
「……犬のミッチー。……ま、いっか。胡桃ちゃんが喜んでくれるなら万々歳。もしかしたら、ミッチーが胡桃ちゃんをここへ呼んでくれたのかもしれない」
間宮さんはしばらく呆然としたあと、すぐにくしゃっと顔を綻ばせた。
立ち直りが早い。しかも、かなり前向きだ。
「で、司はなに飲む? いつもの?」
「辛口のやつ、ある?」
「あるよ」
すぐに出されたのは日本酒らしき小瓶だった。
この店は、本当になんでも揃っていそうだ。
「腹は? 減ってない? 今ちょうどアジャンタが作ってるけど、司も食べる?」
「うん、頼むよ」
不意に胡桃が私の洋服を引っ張る。
そちらを見ると、彼女は「落としにかからなくていいの?」と小声で言った。
胡桃が言いたいことはよくわかっている。
桜木くんのことだ。
とはいえ、どうしたらいいのか私はわからない。
相手は宣戦布告してきているのだ。
つまり、心を鉄壁にガードしている。