クールな同期と熱愛はじめ

「……犬のミッチー。……ま、いっか。胡桃ちゃんが喜んでくれるなら万々歳。もしかしたら、ミッチーが胡桃ちゃんをここへ呼んでくれたのかもしれない」


間宮さんはしばらく呆然としたあと、すぐにくしゃっと顔を綻ばせた。
立ち直りが早い。しかも、かなり前向きだ。


「で、司はなに飲む? いつもの?」

「辛口のやつ、ある?」

「あるよ」


すぐに出されたのは日本酒らしき小瓶だった。
この店は、本当になんでも揃っていそうだ。


「腹は? 減ってない? 今ちょうどアジャンタが作ってるけど、司も食べる?」

「うん、頼むよ」


不意に胡桃が私の洋服を引っ張る。
そちらを見ると、彼女は「落としにかからなくていいの?」と小声で言った。

胡桃が言いたいことはよくわかっている。
桜木くんのことだ。

とはいえ、どうしたらいいのか私はわからない。
相手は宣戦布告してきているのだ。
つまり、心を鉄壁にガードしている。

< 42 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop