クールな同期と熱愛はじめ
「食欲がないって言ってたのは、どこのどいつだ」
あっという間に完食した私を見て、桜木くんが冷やかす。
自分でもびっくりだ。
「ほんとに悔しい」
唇を尖らせると、彼が「変なやつ」と鼻を鳴らして笑う。
「……でも、ありがと」
桜木くんにご飯を作ってもらうことになろうとは、思いもしなかった。
お礼を言われるとは思わなかったのか、彼は一度大きく瞬きをしてから目を丸くした。それからふっと表情を緩める。
思いがけず、その顔を見つめた。見たことのない、彼の優しい笑みだった。
ついじっと見つめていると、桜木くんの目に急に力が込められるのを感じた。
「俺はこれを片づけたら帰るから。あとでちゃんとカギ締めろよ」
「うん。本当にありがとう。ごちそうさまでした」
改めてお礼を言うと、立ち上がりかけた桜木くんの頬が引きつる。照れ臭いのかもしれない。