クールな同期と熱愛はじめ
「……悔しいけどおいしい」
「悔しいけどってなんだよ」
「仕事ができて容姿もよくて、その上、料理まで上手ってずるい」
私が適うところは、ひとつもないじゃないか。これで同じしし座なのだから、星座占いをあてにしてはいけない。
「ほんと、宇佐美って負けず嫌いなんだな」
桜木くんが苦笑いを浮かべる。
「それは桜木くんに対してだけ」
「なんだよそれ。勝手に劣等感持たれても困る」
桜木くんは両手を後ろに突き、目を細めて私を軽く睨んだ。
彼の言うこともわかる。確かに私は、勝手に対抗心を燃やして、ひとり勝手に傷ついているだけ。
でも仕方がないじゃないか。同期入社でスタートラインは同じだったはずなのだから。それが気づいたときには、桜木くんの背中すら見えないなんて。私はいったいどうしたらいいのか。
それにしても、本当においしい。