クールな同期と熱愛はじめ
「仕事はできるし、顔もまぁいい方だし」
「“まぁいい方”ってなんだよ」
“すごくいい”と言わなきゃ納得しないのか。彼は片方の眉を吊り上げた。
「料理ができて、部屋は綺麗。性格は意地悪だけど」
「……最後のは余計だろ」
桜木くんはムスッとした。
本当に意地悪だったら、私のお見舞いには来てくれなかっただろう。同じマンションのよしみというだけで。
でも、そこまで褒めたら私の立つ瀬がなくなる。つまり負け惜しみだ。
「とにかくずるい」
「なんだよそれ。宇佐美は子供か」
「ふーんだ。どーせ私は大人と子供の差があるくらい、なにからなにまで桜木くんには適わないですよーだ」
病人相手に、私はなにを言っているのか。頭でわかっていながら、口が勝手に動きだす。これでは子供かと言われて当然だ。
「あのなぁ……。もっと肩の力を抜いたらどうなんだ」