今度は日本を救います
「それからかな、好きだと思ったものには依存するようになったの。好きだと思った食べ物はずっと食べ続けて、他の人にあげたくなかった。初めて友達が出来た時も、その子が他の人と遊ぶのを見ては邪魔して俺と遊ぶようにさせた。きっと、少しでも目を離すといなくなっちゃう、って思ってたからだと思う」



本人からしたら仕方が無いけど、そういうのは他人に理解してもらえない。


でもその事の元凶は何もしない。


私だったら他の人のこと信じられなくなっちゃう。


でも、こうして笑っていられる佐伯さんはやっぱり強い。



「俺は本当は楓ちゃんに個人指導してって言われた時すごく怖かった。だって住む世界が違うから、いつか絶対に別れる日が来る。なら、最低限関わらないようにしようと思ってた。だけど、楓ちゃんも魔法を使えた」



きっとこの時ほど魔法を使えたことに感謝したことはないだろう。



「いざとなったらいつでも会える。そう思ったら不思議とずっと一緒にいれなくても大丈夫だと思えた。だけど、離したくなかった。不安だからじゃない。別の、今までに無かった感情。……愛おしい。ずっと一緒にいたい。その笑顔を見るのは俺だけでいい。……あぁ、これが恋なんだな、って思った」



驚いて思わず手を離しそうになったけど、今度は佐伯さんがギュッと強く握った。


恥ずかしい……

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