今度は日本を救います
佐伯さんは木から降りて、私の正面に立った。


私が少しだけ見下ろしている。


佐伯さんから目を離したいけど、何故か不思議と離せない……



「楓ちゃん、好きです。危なっかしいし、人を殺す時は容赦ないし、俺より逞しい。けど、意外と弱くて、自分より他の人のこと優先で優しい。全部ひっくるめて楓ちゃんのことが好きです。付き合ってくれますか?」



恥ずかしくて顔を見れないので、俯きながら話す。



「……私、ずっと1人でした。幼稚園も、小学校も。やっと中学校で友達ができたと思ったら異世界に行かされる。でも、そこでは必要とされている気がしました。だからがんばれたんです。結局裏切られましたけど」



でも、多分今なら許せる気がする。


不思議だな……



「そんなぼっち生活が長いおかげで、恋が何か分かりません。ですが、頭を撫でられて嬉しい、他の人にやって欲しくない、私だけを見てほしい。ぜんっぜんドキドキとかはしませんけど、この気持ちが恋だと言うなら、私も佐伯さんの事が好きです」



あぁぁぁぁぁ!!恥ずかしい……


真っ赤な顔を両手で隠していたら、フワッといい匂いに包まれた。

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