凄腕救急医は離婚予定の契約妻を湧き立つ情熱愛で離さない
 初日の勤務はあっという間に終わった。久しぶりの立ち仕事に足もパンパンだ。家に帰り風呂をためるとゆっくりとお湯につかった。
「あー疲れた」
初出勤は思いのほか緊張した。だがいい指導者についてもらえて、職場の環境もよさそうだ。これなら長く続けられるだろう。
風呂から上がり、リビングのソファーでくつろいでいると玄関のドアが開く音がした。
「透さん? まだ十九時だけど……」
 普段は二十二時過ぎにしか帰宅しない透が早い時間に帰宅するなんて。美鶴は慌てて立ち上がった。どうせ透には遇わないと油断していたからキャミソールにショーツという姿だ。急いで部屋着を着てこないと、と思ったが無情にもリビングのドアが開く。
「ただいま」
 透は目を見開いて、すぐさま顔を伏せた。
「美鶴、ごめん」
「私こそごめんなさい! さっきお風呂から出たばかりで……すぐ着替えてきます」
 逃げるように自室へ入り、部屋着として使っているワンピースを頭から被った。
「どうしよう。透さんに見られちゃった」
下着を付けていたとはいえほぼ裸のようなものだ。あんななられもない姿をみられて苦しくなるほど鼓動が早い。恥ずかしさでおかしくなりそうだ。
しばらく一人で思い悩んでいると、部屋のドアがノックされた。
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