クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~



広くてゆったりした店内に、富永先輩が持っていた様なスマホがたくさん展示されてた。


ここはいわゆる携帯ショップらしく、葛城さんは用事があるのか紙の番号札を取って、待ち合いの椅子に座る。


機種変更とかに来たのかな? と想像しつつ、空いてる椅子に座るよりも、展示されてるスマホが気になって仕方ない。


ちらちらと見て落ち着かない私に気付いたのか、葛城さんは苦笑いして「そんなに気になるなら行ってこい」と言ってくれたから、お言葉に甘えることにした。


まだ現実にスマホは持てないけれど、展示機を試すだけだら無料だし……なんて少々セコい考えで、あちこちのスマホを眺めてみる。一見ぜんぶ同じに見えても、微妙にデザインが違っていて、見てるだけで楽しい。


携帯ショップなんて初めてだし、携帯電話自体見たことはあっても触るのは初めて。どうやって操作するんだろう? と気になった機種の画面に触れてみれば、いきなり『こんにちは!』と話しかけられて驚いた。


誰かときょろきょろと見回すけれど、近くには誰も居ない。


『今日は晴れですよ!でも、明日は雨です。傘をお持ちくださいね』とまた声が聞こえてやっと、スマホが話しかけてきたと気付いた。


「あ、そうですか。ありがとうございます。気をつけますね」

教えてもらったお礼を言っていると、プッと噴き出す音がして。葛城さんが肩を揺らして笑ってる!


「わ、笑うことないじゃないですか!」


またこのパターンだ、と以前と同じ光景に頬を膨らませると、彼は全く悪びれもせず近づいてきた。


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