クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
ATMから離れて食品売り場に行く途中、大きなクリスマスツリーが飾られていて思わず足を止めた。本物のもみの木が使われているそれは、見たこともない綺麗なオーナメントで飾られ目を惹く。
近くの催事場ではクリスマス用品が所狭しと陳列されて、家族連れが見入ってる。
クリスマスツリーやリースなんかを選ぶ楽しそうな笑顔。
(……ちょっとだけ……)
お金があっても買わないけど、ほんのちょっと。少しだけ……見ようかな、と催事場に足を向ける。
「わぁ……」
クリスマスツリーのオーナメントやクリスマスリース、スノードームにイルミネーション用の電飾。クリスマスブーツ……ケーキにシャンパンにチキン……。
それに、プレゼント用品もたくさんディスプレイしてあって。見ただけで心が浮き立ってくる。
(スノードーム……きれいだけど一年中飾れるものじゃないよね)
あれこれ見て回るうちに、いつの間にか真剣に悩んでる自分に気付いた。
(プレゼント……葛城さんに……あげたいな)
せっかくお給料が入ったのだから、今までお世話になった感謝の気持ちを込めて、なにかお礼をしたい。
(いいよね? プレゼントだけなら……迷惑にならないよね?)
うん、きっと大丈夫。迷惑と言われたら自分で使えばいい……そんな気持ちで真面目にギフトの棚を見比べた。
「あ……」