クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
玄関マットや靴箱も外国製なのかとてもお洒落で高級感がある。足を踏み入れるのがとてもおそれ多い気がして躊躇していると、男性がいつの間にか持ってきたタオルを私に渡した。
「ひとまず身体を拭きなさい。右手突き当たりがバスルームだから、汚れを落として暖まるといい」
「は……はい」
初対面の人様のお家で勝手に動く訳にもいかず、仔犬を彼に渡すと大人しくタオルを受け取って顔を拭いた。ズキッと痛みが走り、顔をしかめながら我慢して身体を拭く。ずいぶん汚れているなとため息をつきながら、足を十分に拭いて玄関に上がらせていただいた。
(右手突き当たり……バスルームってお風呂だよね? い、いいのかな? 図々しくないかな?)
躊躇う気持ちはある。まったく縁もゆかりもない方のお家に上がり込むだけで厚かましいのに、お風呂までいただいていいのかな? と。
でも、あの人の言う通りにしないととてもじゃないけれど市役所にはいけない。働けたらきっとお礼をしよう、と決めて思い切ってバスルームに向かったものの。
バスルームらしき部屋に入った私は、困り果ててその場で固まるしかなかった。