クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
華族の血を汲む名家……。
やっぱり、三辺さんはお嬢様だったんだ。だから、桜井の家でも許されたんだろう。
彼女と自分との違いに更に落ち込みそうになるけど、三辺さんはそうそうと軽く手を叩いた。
「加納さん、明日の土曜日お時間あるかしら?」
「え?」
突然、訊かれて反応が遅れた。
明日の土曜日……昼前にアパートの見学をして仮契約をするつもりだけど、午後は時間があるから荷物をまとめたり、必要なものを見に行く予定だけど。
「あの……一応予定ならありますが……どうしてですか?」
「おばあ様があなたとまたお会いしたいって。以前のお礼によかったら昼食をご一緒にいかがかしら?
あ、もちろん予定優先で。無理なら仕方ないけれど」
「……おばあ様と」
正直な話、緊張することは目に見えてる。きっと一流のお店でのランチになるだろうけど……。
「……わかりました。時間とお店が決まったら教えてください」
私は、ある考えを秘めてOKを出した。自分が出来ることをしようと決めたのだから、後悔しないためにも。