クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
「加納さん、どうかしたの?」
はっと我に返ると、三辺さんの心配そうな目が間近にあった。
「おばあさまをじっと見てらしたけど……なにか気になることが?」
眉を下げた三辺さんの表情……不安げなその顔も、古い記憶と重なる。まさか……でも。
こんなことを言ったらバカみたいかもしれない。けれど、三辺さんにはよくしていただいたんだから、きちんと話しておこう。そう考えて口を開いた。
「あの……三辺さんと如月さんの笑い方がとてもよく似てらしたので、驚いてしまって……」
「まぁ、そうだったの? あまり指摘されたことはないのだけれど」
そう微笑む如月さんの眉の上がり方や口元が……やっぱり似てた。
「それだけではないんです……あの……こんなことを言うのはおかしいと思われるかもしれませんが……」
懐かしさが胸に満ちてきて、涙が出そうになる。だからか、ついついおかしなことでもポロリと口を突いて出た。
「三辺さんと如月さんの笑い方や表情が……私のお母……母に、とても似てるんです」
私がそう言った刹那――如月さんが大きく目を見開いた。