クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
――一時間後。
駅前にある広場の展示されたSL電車の前で、私はそわそわと待っていてた。
“唐突で悪いが、予定を変更する。14時に駅前のSL電車前で待っててくれ”
つい一時間前に葛城さんから入ったメッセージを、ついつい確認してしまう。
昨日からの予定は変更されたけど、それでもこうして葛城さんと待ち合わせするなんて。
クリスマス前に社内のカフェテラスで待ち合わせしたことはあるけれど、あれはあくまでも仕事の延長のようなもの。こうやって休日にプライベートで会ってくれるなんて……。嬉しすぎて、胸がどうかなってしまいそう。
きっと、こういった機会(チャンス)は二度とない。
彼がどんな目的でこうして誘ってくれたのかはわからないけれど。がっかりさせたりしないように頑張ろう! と小さく拳を握りしめる。
「うん、頑張ろう……葛城さんががっかりしないように……」
自分に言い聞かせるために小さく声に出した刹那――後ろから声が聞こえた。
「おれがおまえのことで、がっかりするとでも思うのか?」
「!」
あまりにも突然過ぎる出来事に、体全体が小さく跳ねてしまって、恥ずかしさから何も言うことができなかった。