クールな課長とペットの私~ヒミツの同棲生活~
(よかった……安眠できてるみたい)
三辺さんのことがあって辛いだろうけど、こうして安心した寝顔を見ると。じわじわと胸が満たされる様な気がする。
(ちょっとだけ……)
彼の腕を外さないままそばに横たわり、そっと彼の肩に頭を寄せる。隣にぬくもりと微かな呼吸があるだけで、涙が出そうなほどに安心感を感じた。
そして、昨夜の彼との行為は……確かに、しあわせと感じた。
葛城さんと繋がった時。誰かでなくて彼だからか、すごくすごく心が満たされた。
だけど、と私はすぐに思い直し、首を振りながら自分に言い聞かせる。
(私は……あくまでも彼のペット。立場を忘れちゃいけない)
本音は、いつまでもこうしていたい。
だけど恋人でも妻でもないのに、朝まで一緒になんて厚かましいことは出来ない。だから、彼の腕からそっと抜け出そうとしたけれど。どうしてか思ったよりがっちりと掴まれていて、外すのに苦労した。
でも、意識がない人間は力もいつもより入らない。頑張って何とか外すと、ベッドから降りてそっと床に降りる。
物音を立てないように気をつけながら、自分が身につけてきたすべてを拾い集めた。