漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
勝気で怖いもの知らずのアンバーが声を殺して泣いていた。
今さらながらファシアスは後悔した。言ってはいけない言葉を言ってしまった。踏み込んではいけないアンバーの心に触れてしまった。
『ちがうわ…これはうれし涙よっ!だって、『聖乙女』になればたくさんの人々を守っていけるんですもの。私だけに与えられた、私だけにしか使えない力。すごい力よ…。どうして、悲しまなきゃならないの…』
アンバーはそう自分を鼓舞するように言うと、ファシアスに小さな宝玉を差し出した。翡翠色をした、アンバーの瞳を思わせる澄み渡った宝玉だった。
『持っていて』
有無を言わせずファシアスの手にそっと握らせる。
『これを持っていれば、いつでも宮に入れるわ。宮付きの神官と一部の王族しか持っていない許可証の証。『聖乙女』の力に目覚めて最初に錬成した聖石よ』
今さらながらファシアスは後悔した。言ってはいけない言葉を言ってしまった。踏み込んではいけないアンバーの心に触れてしまった。
『ちがうわ…これはうれし涙よっ!だって、『聖乙女』になればたくさんの人々を守っていけるんですもの。私だけに与えられた、私だけにしか使えない力。すごい力よ…。どうして、悲しまなきゃならないの…』
アンバーはそう自分を鼓舞するように言うと、ファシアスに小さな宝玉を差し出した。翡翠色をした、アンバーの瞳を思わせる澄み渡った宝玉だった。
『持っていて』
有無を言わせずファシアスの手にそっと握らせる。
『これを持っていれば、いつでも宮に入れるわ。宮付きの神官と一部の王族しか持っていない許可証の証。『聖乙女』の力に目覚めて最初に錬成した聖石よ』