漆黒の騎士の燃え滾る恋慕
「私はずっと貴女を手に入れたかった。貴女を妻にしたい」

「つ、妻?」


耳を疑った。


「殿下は私をなんだとお思いですか。私は国の安寧と民の幸福を守る『聖乙女』。いわば国や民と結婚している身なのです。特定の人間と契りを結ぶなど、ありえません」


毅然と言いながら、一方でアンバーは妙な感覚―――自分の言葉が棘のようにチクリと胸に刺さる痛みを感じた。


(これはなに…?どうしてこんなに悲しいの…)


アンバーのそんな葛藤を見透かすように口元をゆがめると、エルミドは乱暴にアンバーの胸元の衣服をつかんだ。


「きゃっ…!」


衣が破ける嫌な音がする。物を扱うようにぞんざいに寝台に投げ出され、エルミドが覆い被さってきた。


「やっ…!」
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