次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
「遠慮なんかしないで、文香は俺に守られてろ。俺がそうしたいんだから、誰にも文句は言わせないし、邪魔させないから」

表情を引き締め、凛として言い切った駿介に見惚れたまま固まっていたら、くすっと笑われた後でゆっくりと抱き寄せられた。

私の後頭部と背中に置かれた駿介の手は温かさを伝えながら、私を包むように抱きしめる。

「返事ぐらいしろよ。っても、イエスしか聞かないけどな」

初めて抱きしめられた駿介の腕の中に緊張して鼓動は激しくなるけれど、同時に不思議な安堵感も感じた。ドキドキとほんわりが同居する空間。いつまでもこのまま、こうして抱きしめられていたい、とまぶたを閉じた瞬間、脳裏に女性の姿が浮かぶ。

「ダメっ!」

勢いよく駿介の胸を押して、その腕の中から逃れた。私の予想外の行動に、駿介は腕を前に伸ばしたままぽかんとしている。

「文香‥‥‥どうした?」

「どうもしてないよ。でも、こんなのダメだから‥‥駿介が守るのも抱きしめていいのも、私じゃないでしょ?」

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