次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
「そんな考えなしだから、自分が我慢すりゃいいとか勝手に自己完結して、あんなのとの結婚話を了承してしまうんだ。少しは反省しろ!」
「‥‥ごめんなさい」
返す言葉もないとはこの事だろう。多少は私自身に好意を持ってくれてるんじゃないかと楽観的観測をして、睦子叔母に言われるがまま敏彦さんに会ってしまったのは、短慮としか言えない。
更にそこで言われた言葉に傷付いて逃げ出そうとして、結局駿介に助けてもらった。
「迷惑かけたくなかったのに、迷惑かけて、心配もさせちゃった、よね‥‥」
「ーー分かればいい」
しゅんと俯いて謝罪する私に、思いのほか駿介の声は優しかった。
「文香の行動が俺や國井の家を考えての事だってのは知ってる。でも、この前も言っただろ?俺たちはみんな、お前を大事に思ってるって。だから、文香を犠牲にした上での幸せなんていらないんだ」
ゆっくりと近付いた駿介に「分かってるのか?」と顔を覗き込まれた。
「‥‥ごめんなさい」
返す言葉もないとはこの事だろう。多少は私自身に好意を持ってくれてるんじゃないかと楽観的観測をして、睦子叔母に言われるがまま敏彦さんに会ってしまったのは、短慮としか言えない。
更にそこで言われた言葉に傷付いて逃げ出そうとして、結局駿介に助けてもらった。
「迷惑かけたくなかったのに、迷惑かけて、心配もさせちゃった、よね‥‥」
「ーー分かればいい」
しゅんと俯いて謝罪する私に、思いのほか駿介の声は優しかった。
「文香の行動が俺や國井の家を考えての事だってのは知ってる。でも、この前も言っただろ?俺たちはみんな、お前を大事に思ってるって。だから、文香を犠牲にした上での幸せなんていらないんだ」
ゆっくりと近付いた駿介に「分かってるのか?」と顔を覗き込まれた。