次期社長はウブな秘書を独占したくてたまらない
「大体さ、本当は文香だって気付いてるんでしょーに」

「何が?」

「殿の気持ちよ。名前呼ばせたり食事一緒に行きたがったり、私との事気にしたり。間違いなく文香に好意があるでしょーよ」

「それは‥‥分かんないよ。ただ単に距離を取ろうとしてる私を止めたいだけかもだし。それにもし好意をもってくれてるとしても、それは妹へのそれと混同してるだけかもだし」

「はぁー?ほんっと面倒くさくこじらせてるわね。それならそれを利用すりゃあいいじゃない。どうせ文香は好きなんだし」

「だからそれはダメだってば‥‥」

「あのさぁー、じゃあ聞くけど殿の両親から息子とはダメだとか育ててやったんだから政略結婚しろとか、ひと言でも言われたの?」

「耀子母さんも大介父さんも良い人だもん。そんな事言う訳ないよ」

「でしょー?ならいいじゃん」

「だからダメだって!私では駿介や一族のメリットには何にもならないんだから」


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