冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
*
今日は月に一度の午後休暇の日。
フィリーナは、宿舎の自室に戻ると、エプロンを解いて、白いチュニックと一張羅の深緑色のスカートへ着替えた。
革製の胴衣の編み上げをきつめに締めて、ひと月分の賃金の入った小さな麻袋を手にすると、板張りの部屋を飛び出した。
外では、高く昇った太陽が抜けるような青空に泳ぐ薄雲を眺めていた。
フィリーナ達使用人が寝泊まりしている宿舎から、王宮の正門まではひと歩き。
綺麗に手入れの行き届いた植栽の緑が美しく並び、前庭の中央に鎮座する噴水は太陽に照らされてきらきらと飛沫を散らしている。
途中、数頭の馬が並ぶ馬舎が遠く見えた。
そこに、従者を従え真っ白の馬にまたがるグレイス王子を見つけた。
これから出かけるのだろう。
姿勢よく乗馬する姿は青い空に映えていて、遠目にもその美しさに溜め息が出るほど見惚れてしまった。
今日は月に一度の午後休暇の日。
フィリーナは、宿舎の自室に戻ると、エプロンを解いて、白いチュニックと一張羅の深緑色のスカートへ着替えた。
革製の胴衣の編み上げをきつめに締めて、ひと月分の賃金の入った小さな麻袋を手にすると、板張りの部屋を飛び出した。
外では、高く昇った太陽が抜けるような青空に泳ぐ薄雲を眺めていた。
フィリーナ達使用人が寝泊まりしている宿舎から、王宮の正門まではひと歩き。
綺麗に手入れの行き届いた植栽の緑が美しく並び、前庭の中央に鎮座する噴水は太陽に照らされてきらきらと飛沫を散らしている。
途中、数頭の馬が並ぶ馬舎が遠く見えた。
そこに、従者を従え真っ白の馬にまたがるグレイス王子を見つけた。
これから出かけるのだろう。
姿勢よく乗馬する姿は青い空に映えていて、遠目にもその美しさに溜め息が出るほど見惚れてしまった。