冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「お見えになられました」
使用人の手で正面の扉が開かれ、その向こうから使いに出ていたダウリスに率いられ、二人の婦人が姿を現した。
王宮の広さと雰囲気に圧倒されているのだろう。
少し齢を重ねた夫人と、彼女を支える若い娘。
二人は、ぽかんと口を開けてフロアを見渡した。
「この度はご足労いただきまして、ありがとうございます」
フロアの真ん中へ歩みを進めてきた二人の前で、階段を降りてきたディオンが丁寧に頭を下げる。
「と、とんでもございません……こんな素晴らしい場所にお招きいただき、感謝の至りでございます」
夫人が発した声は弱々しいものではあったけれど、毅然とした表情を浮かべたその顔に、ディオンとフィリーナの後ろに控えるグレイスは既視感を覚えた。
使用人の手で正面の扉が開かれ、その向こうから使いに出ていたダウリスに率いられ、二人の婦人が姿を現した。
王宮の広さと雰囲気に圧倒されているのだろう。
少し齢を重ねた夫人と、彼女を支える若い娘。
二人は、ぽかんと口を開けてフロアを見渡した。
「この度はご足労いただきまして、ありがとうございます」
フロアの真ん中へ歩みを進めてきた二人の前で、階段を降りてきたディオンが丁寧に頭を下げる。
「と、とんでもございません……こんな素晴らしい場所にお招きいただき、感謝の至りでございます」
夫人が発した声は弱々しいものではあったけれど、毅然とした表情を浮かべたその顔に、ディオンとフィリーナの後ろに控えるグレイスは既視感を覚えた。