冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「何をなさるのですか……っ!」
思いがけない抵抗に、半歩だけ後ずさるグレイスから、カレンは身をよじって自身を庇う。
口元に手を当てたカレンは、強い眼差しでグレイスを睨みつけた。
「戯れだ」
上目遣いにグレイスを見る強い眼差しに、もう一人の赤髪の面影を見た。
いつだったか、フィリーナもこんな風に自分に強く反発をしたことがあった。
簡単にグレイスの誘惑に陥り、あんなに目を潤ませ頬を熱くしていたくせに。
自分がディオンを守ると言い張ったあの目と、同じものが今目の前にある。
途端に虫の居所が悪くなり、胸を掻きむしりたくなる。
どうにも治まらない苛立ちを、自身を守ろうとする細い腕を掴んでぶつけた。
「きゃ……っ」
そばにあった脚付きのソファに小さな身体を放る。
今は暗がりで見えないけれど、細かい刺繍の施されたソファは、痛みなくカレンの身体を受け止めてくれた。
思いがけない抵抗に、半歩だけ後ずさるグレイスから、カレンは身をよじって自身を庇う。
口元に手を当てたカレンは、強い眼差しでグレイスを睨みつけた。
「戯れだ」
上目遣いにグレイスを見る強い眼差しに、もう一人の赤髪の面影を見た。
いつだったか、フィリーナもこんな風に自分に強く反発をしたことがあった。
簡単にグレイスの誘惑に陥り、あんなに目を潤ませ頬を熱くしていたくせに。
自分がディオンを守ると言い張ったあの目と、同じものが今目の前にある。
途端に虫の居所が悪くなり、胸を掻きむしりたくなる。
どうにも治まらない苛立ちを、自身を守ろうとする細い腕を掴んでぶつけた。
「きゃ……っ」
そばにあった脚付きのソファに小さな身体を放る。
今は暗がりで見えないけれど、細かい刺繍の施されたソファは、痛みなくカレンの身体を受け止めてくれた。