冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
 なかなか顔を上げず、素直に何を探しているのかも告げないカレンに、グレイスは一歩近づいた。

「お前の口唇、柔らかくて美味だったぞ」
「……っ!!!!」

 どうしても抑えきれなくなった加虐心で、カレンの耳にそっと吐息を吹きかけるように囁いた。
 案の定、カレンは火を噴くようにさらに顔を赤らめる。
 口をぱくぱくさせて、何かを言おうと顔を上げるカレン。
 薄く口元に笑みを引き目を細めて、カレンの反応に満足して待ち受けるグレイス。
 カレンは、恥ずかしさいっぱいを目に浮かべて、潤んだ瞳でグレイスを見返してきた。
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