冷淡なる薔薇の王子と甘美な誘惑
「晩餐会では、兄とレティシアの婚約が諸外国に大々的に発表される。
結婚はまだ先の話だったが……おそらく、晩餐会のあとすぐに、婚儀の準備に入るだろう」
「え……」
「兄は、……レティシアとの結婚を早めるつもりだ。今回の物資の支援のために向こうへ出向き、その際話を急がせるそうだ」
片掌で顔を覆うグレイスの大きな溜め息には、悔しさが滲んでいた。
「フィリーナ。お前は頭のいい子だと思っていたが、僕の買いかぶりだったか?」
「わ、わたくしは……っ」
横目に向けられる視線に、せっかく得られた信頼が、瞬く間に崩れていくような気がした。
結婚はまだ先の話だったが……おそらく、晩餐会のあとすぐに、婚儀の準備に入るだろう」
「え……」
「兄は、……レティシアとの結婚を早めるつもりだ。今回の物資の支援のために向こうへ出向き、その際話を急がせるそうだ」
片掌で顔を覆うグレイスの大きな溜め息には、悔しさが滲んでいた。
「フィリーナ。お前は頭のいい子だと思っていたが、僕の買いかぶりだったか?」
「わ、わたくしは……っ」
横目に向けられる視線に、せっかく得られた信頼が、瞬く間に崩れていくような気がした。