現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
営業室に戻ると、牧原さんのデスクで、彼女と香島くんが楽しそうに会話をしていた。

代理の姿は営業室には見当たらず、志木さんは営業課の方に顔を出していた。


牧原さんと香島くんのふたりは、私が営業室に戻ってきたことに気づかず、会話を続けている。


「でさー、金曜日の合コンで知り合った男性といい感じでさー」

「ああ、あの公務員? 俺もチヨちゃんと連絡来てさー」

「マジ? あはははっ。連れてった私に感謝してよね!」


ああ、結局あの後ふたりで合コン行ったんだ。

仲良しなのは良いことだ。
でも、ちゃんと言わなきゃね。

私は一度目を閉じて、志木さんの姿を思い浮かべる。


さっき頭を撫でて、やさしくしてくれた、志木さんの姿を。



……よし!

私は意を決してふたりのもとへと歩み寄る。


そして。


「あのっ」

私が突然声をかけると、ふたりも少し驚いた様子で私に振り向く。

ふたりとも、あの日に自分たちが合コンに行ったことは知られていないと思っているから驚いたのだと思うけれど、かといって特に動じる様子もなく、

「はい。なんですか?」

と牧原さんが答え、ふたり揃って私を見つめる。

金曜日に志木さんに言われた通り、私は確かに、このふたりに舐められているんだと思う。

でも、それはこのふたりが悪いんじゃなくて、私自身に原因があるから。

だから、まずは私が変わらなきゃいけない。


私は、気合いを入れて、ふたりに言った。


「こっ、今度からはっ、どうしようもない予定じゃない限りは、きちんと仕事してから帰ってくれます、かッ⁉︎」


……緊張しながら慣れない発言をしたせいで、声が思いっきり裏返ってしまった。

ふたりとも、ポカンとしながら私を見つめる。

しまった、こんなんじゃさらに舐められるーー?

と、思ったけれど。


「……はい」
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