現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。

交付式が終わると、それぞれ解散となり、各自、自分たちの持ち場に戻ることになる。

私も、自分の職場である東駅前支店に戻らなくちゃ。
腕時計を見ると、ちょうど支店でも朝礼が終わったと思われるころだった。


年度初めに役職付に昇進すると、その昇進と同時にほかの店へ異動になることがよくあるらしい。
ただ、私の場合は、今まで二年間勤務した、今日からは三年目となる東駅前支店勤務のまま、昇進することになった。
それは幸いかもしれない。ただでさえ役職という立場に緊張と不安でいっぱいなのに、そのスタートがまったく知らない支店、というのは辛すぎる。
東駅前支店なら、店のことも、社員のことも、お客さんのことも、よく理解しているつもりだ。
……でもやっぱり不安!!
第一、〝あの人〟と毎日顔合わせて、指示を受けて、実績を報告していかなければいけないわけだし!!

なんとかして、〝あの人〟と極力かかわらない方法はないだろうか、などと考えながら、電車に乗り、二十分。そこから徒歩一分。
文字通り、東駅を降りた目の前にある支店に戻ってきた。



「ただいま戻りました……」

なんとなく弱々しい声でそう言いながら営業室に入ると、たまたま入り口付近にいた支店長が、私とは対照的に楽し気な様子で「お帰り~! どうだった?」と聞いてくる。うぅ、これ絶対からかわれるパターンだ。


「なんか、緊張しました」

「そうだろ、そうだろう! 井原は緊張しぃだしな~! 

ほらね、なんか楽しんでる。

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