恋愛対象外だから!【おまけ追加】
「泣きたい時は泣いとき。」
その言葉を聞いて涙が頬に流れた。
椎名家の兄妹で良かった。
兄妹じゃなくなった今も良かったって思う。
椎名の両親も仕事であまり家にいることなんてなかったけど、帰ってきた時は必ず笑顔で抱きしめてくれた。
人の温もりは好き。
呆気なく冷めてしまうなんて思わなかった。
あたしは夏樹君の胸の中で泣いた。
夏樹君は優しく抱きしめてくれた。
『大丈夫だから』と安心させてくれるように。
それから、
あたしはしばらく学校を休むことにした。
あたしの高校はテストの点数を取っていれば卒業できる学校だから多少休んでも問題ない。
「オレは明日からまた仕事あるけど、気済むまでここにいてたらええわ。」
「…迷惑かけてごめんなさい。」
「迷惑なんて思ってへん。…ふうちとオレなんか似てるし助けたなんねん。」