次期国王は初恋妻に溺れ死ぬなら本望である
昔からそうだった。プリシラはいつだって無邪気に、自覚なしに、ディルの心を乱していくのだ。
「俺は大丈夫だから」
「でも‥‥あ、それならベッドを一緒に使うのはどう? このベッド、やたらと大きいし。私はこっちの端で寝るから」
「あのなぁ」
「ね?二人で使っても、十分ゆったり眠れるわよ」
名案だとでも思っているのだろうか。プリシラは得意げな口調で、そう言った。
「なにもしない」というディルの台詞を信じ切っているのだろう。
(ーー純粋すぎるというのも、重罪だな)
「いいから。余計なこと考えずに、さっさと寝ろ」
ぶっきらぼうに吐き捨てると、くるりと体を反転させ、プリシラに背を向けた。
さっさと寝てくれるのが、ほかならぬディルのためでもあるとわかって欲しい。
「そう?じゃあ、おやみなさい」
同じベッドで眠るという馬鹿げた提案は諦めてくれたようだが、プリシラは体を起こしたままだ。おやすみと言いつつも、眠る気はないらしい。
「なんだ?まだ、なにかあるのか?」
痺れを切らして、ディルもソファから起き上がりプリシラの方へ向き直った。
薄闇の中にたたずむプリシラの白い体は、儚げで、いまにも消えてしまいそうだ。もともと華奢な体つきだったのに、色々あったせいで更に痩せてしまっていた。
「ねぇ、ディル。ーーフレッドはどこにいるのかしら?どうして帰ってこないの?」
プリシラはぽつりと呟く。まるで迷子の子どものようだ。
「俺は大丈夫だから」
「でも‥‥あ、それならベッドを一緒に使うのはどう? このベッド、やたらと大きいし。私はこっちの端で寝るから」
「あのなぁ」
「ね?二人で使っても、十分ゆったり眠れるわよ」
名案だとでも思っているのだろうか。プリシラは得意げな口調で、そう言った。
「なにもしない」というディルの台詞を信じ切っているのだろう。
(ーー純粋すぎるというのも、重罪だな)
「いいから。余計なこと考えずに、さっさと寝ろ」
ぶっきらぼうに吐き捨てると、くるりと体を反転させ、プリシラに背を向けた。
さっさと寝てくれるのが、ほかならぬディルのためでもあるとわかって欲しい。
「そう?じゃあ、おやみなさい」
同じベッドで眠るという馬鹿げた提案は諦めてくれたようだが、プリシラは体を起こしたままだ。おやすみと言いつつも、眠る気はないらしい。
「なんだ?まだ、なにかあるのか?」
痺れを切らして、ディルもソファから起き上がりプリシラの方へ向き直った。
薄闇の中にたたずむプリシラの白い体は、儚げで、いまにも消えてしまいそうだ。もともと華奢な体つきだったのに、色々あったせいで更に痩せてしまっていた。
「ねぇ、ディル。ーーフレッドはどこにいるのかしら?どうして帰ってこないの?」
プリシラはぽつりと呟く。まるで迷子の子どものようだ。