次期国王は初恋妻に溺れ死ぬなら本望である
マリー妃はクスクス笑いながら、話を続ける。
マリー妃がスワナ公国に嫁いできたのは二十二歳のとき。スワナ城の質素さにも驚いたし、使用人が気安く話しかけてくることには腰を抜かしそうになったそうだ。
「でも一番驚いたのは夫だとあの人を紹介されたときよ。ボサボサの髪にもじゃもじゃの髭で、庭師の真似事なんかしてるんだもの。絶対に離婚してミレイアに戻ってやるって決意したわ」
「でも今は幸せ‥‥なんですよね?」
「そうだと思う?」
マリー妃がいたずらっぽい瞳でプリシラを見つめる。プリシラは少し考えから、きっぱりと答えた。
「そう思います。だって、スワナ公のお話をするときのマリー様はとても優しい目をしているから」
「ふふ。ディルはいい奥方をもらったわね!」
「なにかスワナ公と仲良くなるきっかけがあったんですか?」
夫婦円満の秘訣のようなものがあるなら、ぜひとも学びたい。プリシラはそう思ったが、マリー妃の答えは意外なものだった。
「ううん。それが、なーんにもないの。本当にいつのまにかって感じ。雪が降り積もるみたいにね、信頼とか愛情が大きくなっていったの。幸せな夫婦のかたちって、ひとつじゃないんだわ。だからね、あなたとディルの幸せを見つけて。きっとよ」
そう言って、マリー妃はとびきり幸せそうに微笑んだ。
(素敵な人‥‥私もいつかこんなふうに笑えるようになれたらいいな)
「はい、ありがとうございます」
プリシラも笑顔を返した。すると、マリー妃は「いいことを教えてあげる」と言って、プリシラにそっと耳打ちした。
ーーあなたを見るディルの瞳も、とても優しいわ。だからきっと、あなたたちはうまくいくわ。
マリー妃がスワナ公国に嫁いできたのは二十二歳のとき。スワナ城の質素さにも驚いたし、使用人が気安く話しかけてくることには腰を抜かしそうになったそうだ。
「でも一番驚いたのは夫だとあの人を紹介されたときよ。ボサボサの髪にもじゃもじゃの髭で、庭師の真似事なんかしてるんだもの。絶対に離婚してミレイアに戻ってやるって決意したわ」
「でも今は幸せ‥‥なんですよね?」
「そうだと思う?」
マリー妃がいたずらっぽい瞳でプリシラを見つめる。プリシラは少し考えから、きっぱりと答えた。
「そう思います。だって、スワナ公のお話をするときのマリー様はとても優しい目をしているから」
「ふふ。ディルはいい奥方をもらったわね!」
「なにかスワナ公と仲良くなるきっかけがあったんですか?」
夫婦円満の秘訣のようなものがあるなら、ぜひとも学びたい。プリシラはそう思ったが、マリー妃の答えは意外なものだった。
「ううん。それが、なーんにもないの。本当にいつのまにかって感じ。雪が降り積もるみたいにね、信頼とか愛情が大きくなっていったの。幸せな夫婦のかたちって、ひとつじゃないんだわ。だからね、あなたとディルの幸せを見つけて。きっとよ」
そう言って、マリー妃はとびきり幸せそうに微笑んだ。
(素敵な人‥‥私もいつかこんなふうに笑えるようになれたらいいな)
「はい、ありがとうございます」
プリシラも笑顔を返した。すると、マリー妃は「いいことを教えてあげる」と言って、プリシラにそっと耳打ちした。
ーーあなたを見るディルの瞳も、とても優しいわ。だからきっと、あなたたちはうまくいくわ。