次期国王は初恋妻に溺れ死ぬなら本望である
「見くびってない。そう言うと思ったから、嫌だったんだ」
ディルは盛大なため息をついた。プリシラはそれには構わず、話を続ける。
「ディルの考えを教えて」
「言っとくが、俺はロベルト公爵が犯人だと断定しているわけじゃない。ただ‥‥一番怪しい俺は犯人じゃない。前も言ったように、フレッドさえいなければと思ったことは何度もある。けど、行動には移してない」
ディルも覚悟を決めたのか、冷静に淡々と事実を語り始めた。
「次にフレッド本人の可能性。これも考えた。動機はわからんが、まぁどんな優秀な人間でも馬鹿なことを思いつく可能性はゼロじゃない」
「そうね。私たちの知らない悩みがあったのかも」
「ただ、フレッドの単独行動だとすると見つからないのが不自然だ。フレッドは人脈も人望もあるが、気まぐれの家出にリスクをおかしてまで協力する人間はいないよ。王族ってのは強大な力を持つように思われがちだが、所詮は神輿だ。神輿をおりたら、意外となにも持ってない
」
それはディルの言う通りかもしれない。自由気ままに使える金は王家より公爵家のほうが多いなどとよく言われているくらいだ。人脈も金も、王子の身分を捨てようとしたフレッドが自由に使えるものはそう多くはないだろう。
プリシラは頭に浮かんだひとつの考えをディルに問いかけた。
「たとえば、たとえばよ。もし、フレッドが自殺目的だったとしたらーー」
「生きて逃げるつもりの人間より死体のほうが簡単に見つかるさ。王都警備隊だって、その可能性は考えたうえで捜索活動をしたはずだ」
ディルは盛大なため息をついた。プリシラはそれには構わず、話を続ける。
「ディルの考えを教えて」
「言っとくが、俺はロベルト公爵が犯人だと断定しているわけじゃない。ただ‥‥一番怪しい俺は犯人じゃない。前も言ったように、フレッドさえいなければと思ったことは何度もある。けど、行動には移してない」
ディルも覚悟を決めたのか、冷静に淡々と事実を語り始めた。
「次にフレッド本人の可能性。これも考えた。動機はわからんが、まぁどんな優秀な人間でも馬鹿なことを思いつく可能性はゼロじゃない」
「そうね。私たちの知らない悩みがあったのかも」
「ただ、フレッドの単独行動だとすると見つからないのが不自然だ。フレッドは人脈も人望もあるが、気まぐれの家出にリスクをおかしてまで協力する人間はいないよ。王族ってのは強大な力を持つように思われがちだが、所詮は神輿だ。神輿をおりたら、意外となにも持ってない
」
それはディルの言う通りかもしれない。自由気ままに使える金は王家より公爵家のほうが多いなどとよく言われているくらいだ。人脈も金も、王子の身分を捨てようとしたフレッドが自由に使えるものはそう多くはないだろう。
プリシラは頭に浮かんだひとつの考えをディルに問いかけた。
「たとえば、たとえばよ。もし、フレッドが自殺目的だったとしたらーー」
「生きて逃げるつもりの人間より死体のほうが簡単に見つかるさ。王都警備隊だって、その可能性は考えたうえで捜索活動をしたはずだ」