One of Them〜第一幕〜『下書き』




それから数日、訓練室で稽古を積む日々が続いた。

今日は少し気温が高く、訓練室も熱気が篭る。


「いやぁ、今日は熱いなぁ…」

休憩中、パタパタとコウは団扇を仰いでいた。

(((そりゃそんなモコモコの着ぐるみ被ってたら熱いでしょ/だろ)))

3人は思うことは同じでもそれを口に出すことはない。

と、そこでコウは何か思いついたのか椅子から立ち上がった。

「そうだ!折角だし仕事しようか」

「「「???」」」

「ほら、ボーッとしてないで。訓練終わり!さっさと着替えてきてよ!」

(すげー自由人だなぁ…)

(……子供かよ)

(眠たい…)

それぞれ思う気持ちはあれど軍服に着替えて施設から出てコウについていくことに。

たどり着いた場所は…、施設から少し離れた建物。

「なぁ、これって…」

「……………」

「……キノコ」

建物は円柱でキノコのような屋根だった。

「………ベニテングタケ?」

「お、よく知ってるね。僕も似てると思うんだ」

サヤが聞くとコウはうんうん頷いて答える。

どことなく嬉しそうだ。

「さ、入ろう入ろう」

コウはガチャ!とドアを開けて3人を中に入れる。

中は思ったより広く、人が結構いた。

「ここは依頼を受ける施設だよ」

「じゃあここから俺ら仕事できんの?」

「そゆこと」

「「……………」」


「うわぁ!うわぁ!」と興奮するソラと静かに周りをキョロキョロするシンとサヤ。

「君たちの今の階級ではあの目の前にある掲示板からしか依頼を受けることが出来ない」

「ん?階級ってなんだ?」

「「「…………………」」」

自然に聞いてきたソラに3人は少し引き気味になる。





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