One of Them〜第一幕〜『下書き』
「………シンくん、説明」
「………はぁ。階級はその名の通り軍の階級のことだ。俺らは1番下っ端のシングルになる。自分のライセンスの上部分にある星の数が階級を表すんだ。因みに服装も変わる」
「あー、この星って階級を表してたんだなぁ」
「「……………」」
「……続き、サヤくん」
「階級はシングル、ダブル、トリプル、スペシャルと4つの階級がある。簡単に言うとシングルは下っ端。ダブルは先輩。トリプルは上司や教育担当等の先生や司令塔。スペシャルは王直属の権力者って感じかな(……というかなんで私の方が知ってるの?)」
「ふぅん、階級を上げるにはどうしたらいいんだ?」
(((アカデーメイアーで何をやってたんだろ。…………あ、大剣か)))
「………依頼ノルマをクリアして昇級試験資格を得て、昇級試験に合格すること。因みにダブル昇級試験資格を手に入れるための依頼ノルマはEランク及びDランクの依頼が7件、Cランクの依頼を3件、計10件をクリアすること」
「………やっぱり君成績絶対間違ってるでしょ」
「いや、これくらい常識ですって」
「だってよ、ドベ」
「うるせーよ根暗!」
またソラとシンで喧嘩をし始める。
サヤは無視して掲示板をジッと見た。
「何かやりたいのあるかい?」
「別になんでも……」
その時、1つの依頼に目を止める。
「ん?あぁ、土砂災害で被害にあった村の復興依頼だね。修繕するための資材運んだり、怪我した人やお年寄りの手伝いにいったり……」
そこでコウはピタリと止まる。
(そっか。星月一族は復興はされず全部撤去したんだっけな……)
「…………あー、これにするかい?」
少し気まずそうにコウは聞くがサヤは「なんでもいい」とだけ答えた。
「じゃあこれにしようか」
コウはそう言うと紙を取って受付に持って行く。
願わくば星月一族も復興して欲しいと思って。