届くなら、あの日見た空をもう一度。

ーーー

外ではザァザァと大きな音をたてて大量の雨粒が暗い空から降り注いでいた。

かなちゃんは隣に腰掛け今日は勉強をしている。

入学前に渡された課題なのだろう。

「修くんのとこでやればいいのに。

雨の中わざわざここまで来るの大変だったでしょう?」

「別に?」

「でも電車代だってかかるし。

毎日はやっぱり大変じゃない?」

「何?邪魔だったりする?」
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