パーフェクト・インパーフェクト


「やっぱりめちゃめちゃめちゃめちゃかわいい~!」


無事に手に入れたホットホワイトチョコレートを手に、バシャバシャ写真を撮りまくるわたしに、隣のお兄さんは小さく笑った。

甘いものがあまり得意じゃないという彼はホットコーヒーを飲んでいる。


「こんなものまで、ほんとに買ってもらってよかったんですか……!」

「年下の女の子にお金出させるようなやつに見られてるなら、俺ももっと頑張らないとダメだな」

「なんで! そうじゃなくて!」


なんだかんだ、パークのチケット代も、昼食代も、ぜんぶ出してもらってしまっている。


交通費だってそうだ。

ちょっと乗った高速道路は無料じゃないし、ガソリンだって使っているわけで。


「夜ごはんはわたしがごちそうしますのでっ」

「いいよ。きょうはもう気ぃ遣わないって約束しただろ」

「でもでもでも」

「年上の男と“デート”するときはかわいく奢られてればいいんだよ」


その切り札を使われてしまったら、初心者のわたしはもう黙るしかなくなってしまう。

反抗する言葉を失い、むーと口をとがらせながら甘ったるい白を飲むしかないわたしに、彼はまた笑った。


「次はどうしようか? さっきパスとったアトラクションはまだ30分くらい時間あるから」


そこでぴたりと、不自然に言葉が止まった。

思わずカップから口を外して横顔を見上げると、彼はすべての動きを止め、一点をじっと見つめていた。


視線を追いかける。


本当に、すぐ近くだった。

1メートルもないくらいの距離にいたのは、わたしもよく知っている人物。

< 108 / 386 >

この作品をシェア

pagetop