パーフェクト・インパーフェクト
「やっぱりめちゃめちゃめちゃめちゃかわいい~!」
無事に手に入れたホットホワイトチョコレートを手に、バシャバシャ写真を撮りまくるわたしに、隣のお兄さんは小さく笑った。
甘いものがあまり得意じゃないという彼はホットコーヒーを飲んでいる。
「こんなものまで、ほんとに買ってもらってよかったんですか……!」
「年下の女の子にお金出させるようなやつに見られてるなら、俺ももっと頑張らないとダメだな」
「なんで! そうじゃなくて!」
なんだかんだ、パークのチケット代も、昼食代も、ぜんぶ出してもらってしまっている。
交通費だってそうだ。
ちょっと乗った高速道路は無料じゃないし、ガソリンだって使っているわけで。
「夜ごはんはわたしがごちそうしますのでっ」
「いいよ。きょうはもう気ぃ遣わないって約束しただろ」
「でもでもでも」
「年上の男と“デート”するときはかわいく奢られてればいいんだよ」
その切り札を使われてしまったら、初心者のわたしはもう黙るしかなくなってしまう。
反抗する言葉を失い、むーと口をとがらせながら甘ったるい白を飲むしかないわたしに、彼はまた笑った。
「次はどうしようか? さっきパスとったアトラクションはまだ30分くらい時間あるから」
そこでぴたりと、不自然に言葉が止まった。
思わずカップから口を外して横顔を見上げると、彼はすべての動きを止め、一点をじっと見つめていた。
視線を追いかける。
本当に、すぐ近くだった。
1メートルもないくらいの距離にいたのは、わたしもよく知っている人物。