パーフェクト・インパーフェクト


「抱っこして帰られますか?」


こんな時間まで元気のいいスタッフさんに問われて、ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめたまま小さくうなずく。


「このままお会計してもらっていいですか?」


わたしのかわりに俊明さんが訊ねた。

彼は、どんなお店のどんな店員さんにも柔らかい笑顔をむけ、とても優しく話しかける人だ。


「……ありがとうございます」


買ったばかりのウサギを抱きしめ、寒空の下に出てからそう告げると、彼は足を止めてまた微笑んだ。


「どういたしまして」


きょう、すごく楽しかったな。

友達と遊びに来るのとはまた違ったふうで本当に楽しかった。


ここに来た目的なんかすっかり忘れちゃうくらい。

まだ帰りたくないって、心のどこかで、つい思ってしまうくらい。


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