パーフェクト・インパーフェクト


とぼとぼエントランスに向かっている途中、「お土産は買わなくてよかった?」と言われてハッとし、混みあうショップに慌てて入った。


こないだのこともあるし、さすがに雪夜にお菓子くらいは買っていってあげないとね。

べつにお土産なんかいらないくせに、買って帰らなかったらそれはそれで文句言われるに決まっている。


意外と甘いものが好きなイケメン男子高校生の喜びそうなものを物色している途中で、思いがけずぬいぐるみの棚に鉢合ってしまった。


ほんと、クリスマスのデザインってずるい。

かわいいキャラクターがサンタのコスチュームを着ているだけで5割増しにかわいいんだもん。


「かわいいー!!」


思わず手に取って抱きしめると、思いのほかふかふかで、気持ちいいし、かわいいし、手放せなくなってしまった。

それにもともとわたしはこの薄紫のウサギちゃんが大好きなのだ。


「欲しい?」


雪夜のことなんかすっかり忘れてついつい夢中になっていたら、もふもふの向こうから、おかしそうにくすくす笑う大人の声が落ちてきた。


「よかったらプレゼントしようか」

「えっ。いや、いいいいいいいです、いいです、そういうつもりじゃなくて」

「いいよ。クリスマスプレゼント」


本当にそういうつもりじゃなくて。

というかきょうは出してもらってばかりだし、さすがに欲しいものくらいは、自分のお財布で。


だけどぬいぐるみを棚に戻す間を与えられないまま手を引かれた。


閉園間際のショップはものすごく混みあう。

はぐれないように広い背中についていくのに必死なうちに、そこはもう会計カウンターだった。

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