パーフェクト・インパーフェクト


「初えっちだよう。だってお泊まりしたんでしょ?」

「な!? し、し、し、してないから!!」

「え? なんで? もしかしてアンちゃんってば、拒否っちゃったの? 家までついていっといて? うわあ、皆川さんかわいそう……」

「もうっ、ばか! 今後なにかあってもリアにだけはぜーったい教えないからっ」


遊び人と噂の“バンドマン”が朝まで本当になにもせず、ぎゅっとしたまま隣で眠ってくれたことは、わたしだけの宝物にするんだ。


体温も、鼓動も、腕の強さもなにもかも、すべてが優しくて信じられないくらい安心した。

それこそ本当に子どもみたいに甘えきってしまったと思う。


というか、ぜんぜん覚えていないけど、わたしは朝まで彼の胸元をぎゅーっとものすごい握力で掴んで離さなかったらしいのだ。

そう言って困ったように笑っていた顔を思い出すだけで、顔を扇ぎたくなるくらい恥ずかしい。

わたしは生まれたての赤んぼうか。


「そういえばゆっきーにはもう報告した?」


彼を思い出してどきどきしていた胸が、今度はまったく別のどきどきに変わった。


「なんで雪夜に報告しないといけないわけ……」

「えー。だってなんとなく、あとからふいにバレるほうが面倒くさそうじゃん? ゆっきーってアンちゃんの姑みたいだし」


シュートメ、とか言われていることを知ったら、雪夜は鬼の形相で怒るに違いない。

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