パーフェクト・インパーフェクト
このまま元カレたちの悪口大会になるんじゃないかってくらい、鼻息を荒くしたリアが、薄っぺらい液晶を指先でコンと打つ。
「現に、このドラムの人だって」
大人っぽいグレージュのネイルが触れたのは、こないだ会ったばかりのドラマーだった。
ボーカルのアキさんとソックリな弟さん。
だから、顔はけっこうカッコイイのに、ずーっと無愛想な感じだった、いちばんチビのダンマリ男。
この人が、なに?
「昔、『EYE☆LUSH』のYUKAとつきあってたらしいよ」
え?
「えっ!?」
濁点のついたような汚い声が出ちゃった。
衝撃で、左目のアイラインが変な方向にハネた。
「いやウソ、ぜったいウソ、それはウソ」
「それが超絶なマジバナシなんだってえ」
アイラッシュといえばここ数年、アイドル界でトップに君臨し続けているモンスターグループ。
そのセンターを張っている“ユカっぺ”は実質、トップアイドル、なワケで。
そんなモノスゴイ人が元カノって?
あの人の?
いちばん愛想ない感じだったよ?
いちばん「オンナとかキョーミねー」って顔してたよ?
「信じらんない……」
アシンメトリーになってしまった目元を直すことも忘れ、呆然とするしかないわたしに、いつのまにかきれいな眉まで作り終えたリアが笑った。