パーフェクト・インパーフェクト
「バンドマンってテクニシャン多そう~」
鼻歌まじりにとんでもないことを言いつつ、ワンレンのロングヘアをゴムでまとめたリアが、動画アプリを起動する。
「ホントにかっこいいよね? なんであたしにオファーくれなかったんだろー」
いつまでもぶーぶー言っているから、ファンなのって聞いたら、チガウって。
ただ音楽業界につながりが欲しいだけだって。
あんまり正直すぎて引いちゃう。
潔すぎて笑っちゃう。
「けっこうまじめな人たちだったけどね」
リアのスマホのなかでジャカジャカ楽器を演奏している4人を横目に、アイラインを引きながら、率直な感想を伝えた。
「音楽、真剣にやってる感じだった」
「ばっか、そりゃそーよ! プロだよ? これでゴハン食べてるんだからそこに関してはマジメに決まってんじゃん!」
ソレとコレとは話が別なんだよって、目元だけばっちりメイクの完成したキモチワルイ顔が目の前に迫ってきて、思わずあとずさり。
ソレとコレって、ドレとドレ?
「こういう人たちは仕事とプライベートを完璧に使い分けてんだから」
「そーかな」
「そーなの! 『ファンのみんなが俺の彼女』とか『いまは芝居に夢中で』とか言っちゃってるやつに限って、ちゃっかりアイドルだのモデルだのに手出しまくりだからね?」
中学生のころにジョニーズジュニアとつきあい、高校生でカリスマメンズモデル、最近は若手イケメン俳優と様々な男を渡り歩いてきた美女のスピーチには、妙な説得力があって、なんかイヤ。