パーフェクト・インパーフェクト
「あ、“フォトスト”みーっけ」
わたしのアカウントでログインしたまま勝手にアプリを起ち上げ、勝手にスクロールしたかと思えば、長い爪が軽快になにかをタップした。
「フォローしといたよん」
「誰を?」
「あまいたまごやき~」
“フォトストッカー”は、若いコを中心に世界中で利用されている写真投稿アプリで、最近はテレビやラジオなんかよりぜんぜん拡散力があるから、宣伝や知名度アップのために活用している有名人も少なくない。
政治家なんかにも、チラホラ使っている人がいるらしい。
もちろんリアやわたしもそのひとり。
フォロワー数はどっこいどっこいかな?
数字がすべてではないのはわかっているけど、やっぱり気になってしまうのもホンネなわけであって。
「え! ちょっと! なんで勝手につなげんの!」
「いっしょに仕事したくせにフォトストつながってないほうがありえなくない?」
そうかもしんないけど!
リアは、いっしょに仕事をした人との写真は必ず投稿する。
そしてアカウントを必ず交換する。
表には出てこない、裏方の人とも、そういうことは入念に行っている。
「それでなくとも交友関係は広いほうがいいってえ」
それが次の仕事の種になるかもしれないから、って。
たしかに、そう思うよ。
こういう仕事は自分の実力ももちろん必要だけど、人脈というのもかなり試されてくるところだと、歳を重ねるたびに実感している。