パーフェクト・インパーフェクト
ハート型のシルバーを指でつついたリアの目が、感心したように輝く。
「でも大人っぽすぎないっていうか、はたちの女の子が着けるのに嫌味がなくて、かわいいね。恐るべし、皆川さん……! 完璧すぎない?」
19歳までのわたしなら、そうでしょう、なんて鼻を高くしていたかもしれない。
だけど20歳になったわたしは違う。
彼のこと、完璧にかっこいい大人の男じゃなくて、とってもかわいいところがある人だとも、思っているんだよ。
「ねーアンちゃん。皆川さんが知ってて意図的にそうしたのかはわかんないけど、男が女にネックレスを贈る意味って、ちゃんとあるんだよー」
にやりと笑った顔、ビールが最高に似合っている。
「――“ずっと一緒にいたい”」
鎖骨の上で揺れた小さなハートが、まるで本物の心臓になったみたいに、熱を持った気がした。
「大事にしてもらってるんだね。安心したよーう。バンドマンはマジでやめとけー!って、最初のころは、ほんとは、思ってたんだ」
「……急に、なんなの。さんざんおちょくってきたくせに」
「まあそれはそれじゃん!」
からから、悪びれもなく笑う。
そうして、ふっと、アルコールのせいでほんのり濡れた目が、この上なく優しいまなざしでわたしを映した。
本当に、唐突に。
「アンちゃんはもう、皆川さんっていうシェルターがあるから、大丈夫だね」