パーフェクト・インパーフェクト


「ね、プレゼントなにもらったの?」

「知りたーい?」

「知りたいです、先生!」


もうすっかり酔っぱらっている。

ジョッキを抱えながらピコンと右腕を天に伸ばす様は、社会にすっかり疲れきったサラリーマンが見せるフライデーナイトのよう。


ちなみに、きょうはわたしもお酒を解禁していっしょに飲んでいる。

飲みすぎちゃダメだよって、保護者のような恋人に言いつけられているから、リアみたいな仰ぎ方はしないけど。


「じゃじゃん! こちらですっ」


でもやっぱりほんのりは酔っている。

ふわふわしてきた頭で、ふわふわしながら首元を指さすと、リアがデッカイ瞳を寄せてきた。


「なんと、ホワイトデーに続く光りもの……! 見慣れない大人っぽいネックレスをしてるなーとは思ってたんだよ!」


誕生日の翌朝、少し甘さの残るベッドから体を起こしたら、枕元にシャンパンボトルがあって、そこにこれが引っかけられていたんだ。


憧れのティフィニー。

傍らにあったブルーの紙袋を見て、いっきに目が覚めた。

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