パーフェクト・インパーフェクト
DMを閉じ、投稿されている写真や動画をじっくり見ていたら、いつのまにか時間を忘れていちばん最初まで遡ってしまっていた。
ちょうど4年前くらい。
こないだ会ったときよりも、みんなどこか幼い顔をしている。
なんだかおもしろい。
当然だけど、新しいコスメやおしゃれなランチの写真なんて一枚たりとも見当たらなくて、どこか無骨な楽器の写真とか、リハ中?のよくわからない動画とか、どれも味気ないものばかりだった。
だけど、つまらないわけじゃない。
これは、キラキラでピカピカでカラフルなものを選んで、試行錯誤を重ねて最高に“映える”角度で撮影して、加工に加工を加えて投稿して、そうして『グッド!』をもらっているわたしが、いままで一度も見てこなかった世界だ。
皆川さんの使っていた、あの古いスマホを思い出す。
そこに内蔵されていたのは、なんの変哲もない、初期のカメラアプリだった。
たったそれだけで、こんな世界を映しだせるんだ。
ウウン、
それだからこそ、こんなふうになるのかな。
機材だらけのなかに無造作に置かれている、それぞれの楽器のモノクロ写真も。
なにかの撮影だったのかな、それとも旅行をしたのかな、海沿いの防波堤を、ポケットに手を突っこみながら歩く誰かの後ろ姿も(たぶん瀬名さんな気がする)。
殺風景な机に広げられている、ニューリリースだというCDたちも。
『HAPPY BHIRTHDAY TO AKITO』のプレートがどどん!と載っているホールケーキも。
もふもふなソファにもう食いこんでるんじゃないかってくらい顔をうずめて、弟さんがたぶんお昼寝しているオフなシーンも。
“映える”というより全部、“いいな”って感じの写真。
なんと言ったらいいんだろう。
いいなあ、と心が感じたものを、具体的に形容するのってむずかしいんだ。