パーフェクト・インパーフェクト
『ほんとに写真好きなんですね』
前の返信から2時間くらい経って送った。
その夜のうちに返事は来なかったけれど、朝起きたら『うん、けっこう好きかも。』と返ってきていた。
そして、もう一文。
『上月さんは何がお好きなんですか?』
あ!
はじめて質問されたカモ。
なんでいきなり敬語なんだ?
なんて、起き抜けの頭のなかに、ふわふわとしょうもない疑問が浮かんでしまう。
わたしはなにが好きなんだろう。
2秒考えたら、答えは出た。
わたしはきっと、ファッションモデルというお仕事が、いちばん大好き。
だけど『仕事が好き』なんて送ったら、ツマンネーヤツだと思われてしまうかな。
うーん。じゃあ、なんだろう。
好きなものって、改めて聞かれると、困ってしまう。
いま寝転がってるふかふかのベッドも好きだし、これから食べる朝ごはんも好きだし(朝はモリモリ食べてもいい!と決めている)、これから目元を彩ってくれるカラフルなアイシャドウも好きだし、先週買ったばかりの新しいスカートも好きだし、実家にいるチャウチャウのキューちゃんも、大好きだし……。
レースカーテン越しにぼーっと日光浴をしながらたくさん考えたけど、やっぱりいちばんはいつまでも揺るがないだろうなと、同じ答えへの堂々巡り。
『モデルです。』
こんなつまらない答えに、彼はどんな返事をくれるだろう。
画面のむこうで、皆川さんは、いま、なにをしているんだろう。